2015年6月27日土曜日

20150627-01

背中を向けて寝ていたあの子が寝返りうってわたしを抱きしめてぼそっと呟くから驚いて何と言ったか聞き返す、いつもなら再返答をめんどくさがるあの子がわたしが聞き取れるまで同じ言葉を呟いてくれるのにも、その言葉が「好き」だったことにも違和感を感じて、でもうれしいからわたしは黙る。それでも「こうしてないといなくなりそうで不安なんだよ」って言葉が引き金となり違和感は実感に変わる、あの子がわたしのことを好きなわけがないし、あの子がわたしにすがるように抱きつくはずがなく、つまりはこれは夢、その瞬間に目が覚めて数ヶ月ぶりに絶望する、全然まだだめだ、まだだめ、全然まだだめだ。



もうあえない人は死んだ人と同義で、死んだ人はわたしのなかでどんどん大きくなっていく。現実の彼らとわたしの中で成長した彼らはだんだん乖離していくという事実にわたしは誰より自覚的で、≒で≠のあの子はつまり、過去の自分への後悔とか後悔とか後悔だ。

取り返しのつかないことは取り返しがつかない、タイムマシーンで戻っても取り返しはつかない。