2015年11月30日月曜日

20151130-01

3年付き合った恋人とのさようならで泣けなかったのに2時間で読み終わった本のラスト一文で泣いてしまった、わたしと恋人の3年間は195頁より軽い。



スーパーにいちごが並んでいてうれしいきもちになる。200円で小分けのパックがあった、カップの中にはいちごが2粒だけ入っていた。一粒100円。21歳のわたしのおっぱいは10揉み2000円だから1揉み200円、いちごより高い値段で売れたのだと思うけれどよく考えたらおっぱいは左右にあるので、正確にはスーパーで売られているいちごとわたしのおっぱいの価値は等しいのだろう。



人生って設計できるって知ってた?



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世界が狭いから去年買った図鑑をぱらぱらめくるしかない、こういう経験初めてじゃないなと思う。
なんにもなくなると心細くなるけど「なんにもないということがあるな」と思う、それはとても頼もしい。






1年かかって本が読めるようになった。人間は、生きてさえいれば、いつか回復する。



2015年11月23日月曜日

20151123-01

ほんとうのことが無価値だなんてわたししらなかったからほんとうのことを言ってしまった、1時間あの子に好きでいてもらえるならもうなんにもいらないと思ってしまった。1時間だけあの子に好きになってもらえたらそのあと無価値なおんなのこになっちゃうなんてことわかってたのにもしかしたらって思ってしまった。
例外なんてないのに、わたしがほんとうに、ほんとうにあの子のことをすきだなんて関係ないのに。


日曜日の真昼間なのに水曜の明け方道に迷ってしまったような気持ちになっている、わたし先週の水曜日から時間が止まっている。わたしのスイッチはへんなタイミングで入る、誰にも待ってもらえないような変なタイミング。


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ねむたいけれど映画を見に行った、映画を見に行くという行為自体が楽しかったから映画そのものは正直どうでもよかった。ごはんをたべるシーンでカプレーゼが出てきて、わたしはルッコラのサラダが食べたいなと考えた。長らく食べられていないルッコラのサラダのことを考えていたらいつのまにか眠ってしまっていて、気付いたら大画面で人が撃たれて死んでいた。


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わたしのパソコン変な挙動する、文章がうまくリズムでかけないからしねとおもう。わたしが一番文章をうまく書けたのは東芝の赤いガラケー、でももうどこにもつながっていない。


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大きな棚がほしい、乗せても乗せてもいつまでも余裕があるくらいの大きな棚、100人乗っても大丈夫な程度の棚がほしい。 わたし全部の自分をそこにあげて、上からああだこうだ言う。



2015年11月18日水曜日

20151118-02

例えばわたしがヨーグルをスーパーで見かけてなつかしいなこれおいしいと言う、そんな無意識の言動が誰かのことを揺さぶるなんて思ってもいなかったし、だからわたしは今それを思い知ってる。
わたしの知らないところでは、わたしの知りたくないものごとばかりが巻き起こっている。


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「すき」って言いたくなったけど気持ち悪いからやめた、最後に会ってからもう数年たっているように思ったけど全然そんなことなかった。来月いいことがあるよって言われてからまだ10日しかたってなかった、きみのことはすきなのにきみのすきなものはすきになれなくてごめんねと思った。モロッコヨーグルがなんでモロッコなのかマンガで読んだのに忘れた、わたしは明日50個の螺子を外して、それにひとつずつ脳みそを入れて、また螺子をしめる。


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ひとの弱音はすきじゃないけどきみのならいやじゃなく聞き流せるよ、真摯に向き合わないのはわたしがきみのことを好きだから、真摯に向き合ってつぶれてしまって付き合いが途切れてしまうのを恐れる程度にはきみのことが好きだから。


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早くねむりたいのに家に帰り着くとくじけてしまう、こんなひと、日本に6870191054657人いる。

20151118-01

決定的な出来事があったから笹井君のことはもうわたし大丈夫、大丈夫っていうのは結構ですって意味、もういらないですって意味。笹井君がどんなに優しい声でわたしに話しかけてきても首を傾げても手を握ってもわたしもう大丈夫、なんどだっていらないって思える。
旧体育館はそりゃ人通りは少ないけれどわたしの所属する写真部の部室がよりによってその二階にある、つまり部室の窓から旧体育館裏は丸見えで、だから笹井君とEちゃんとのキスシーンもわたしにはばっちりはっきり見えた。『眼鏡と違って一日中つけっぱなしのコンタクトはあまり強い度で作ってしまうと疲れちゃうから1.0くらいがいいよ』、コンタクト屋のお姉さんの忠告通り作ったからわたしはコンタクトをつけても視力が0.9しかない、それでも二人がこう、高校生にふさわしくない濃厚なキスをしているのは十分わかったからわたしは部活のみんなが窓の外に目をやらないよう頑張って私語をした。わたしたちのような健全な高校生は、あんなもの、見てはいけない。


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わたしなにしているのだろうと東京タワー見ながら考える、スカイツリーじゃなくて東京タワー。東京タワーって車がないといけないと思っていた、だって近くにJRの駅がないから、でもわたし吉祥寺から新宿や渋谷まで歩けるし、それでも東京タワーには永遠にたどり着けないような気がする。



わたしのしらないところでしらないひとがしらないことをする、しらないままでいたい、できれば想像もしたくない。



2015年11月8日日曜日

20151108-02

1/12に減ったチアシードドリンクの瓶の中で育つ白いふわふわを見ていた。このまま放置し続けたらこれはどのくらい大きくなるのだろう。なんにもないところから黴が生えるしくみは勉強して知っているけど何度見てもため息が出る、ほぉっと感心してしまう。
ねえわたしのこと好き? どのくらい好き? どういう風に好き? と聞くとラーメンみたいな感じで好き、と彼は答える。それが照れ隠しだと知っていても、わたしが言われたい言葉を言われていないことには変わりがない。


雨が上がった夜はいつも気持ちがいい、会社帰りのサラリーマンは決まってみんな傘を持っていて、今日一日眠って今はじめて外出したわたしは手ぶら、手ぶらというものは気持ちがいいなぁと思う。
みんな本当に大事なことはインターネットに書かない。見えなくて知らないことはなかったことと一緒だから、わたし本当はもうなんにも知りたくない。父親が、若いころ、自分の目に映る場所以外今ないんじゃないかと思ってたと話したことがあった、多分世界5分前説というよりトゥルーマン・ショーで、わたしも世界5分前説よりはそっちのほうがしっくりくる。見えなくて聞こえなくて知らないことは見えないし聞こえないし知ることができない、だから都合のいいうそばっかり見てたい、もしくは本ばっか読んでたい。

こないだ失恋した相手の残した音楽や本は全部ポップかつカジュアルで全然センチメンタルになれない、こぶし突き上げてウォーウォー言ったり美少女だらけの学校に放り込まれるばかりで全然センチメンタルになれない。だから次はわたしもっとこう、エモい感じの音楽や、エモい感じの本を読む人に失恋する。








20151108-01

左様ならという言葉がひどくしっくりくる雨の第三週、わたしは砂丘でコーヒーをすする。ひどくぬるくなったそれはしかし確実に苦く、格好をつけずにお砂糖とミルクをたんまり入れればよかったと思う。わたしの町がテレビに映る、切り取る角度一つでこんなにも知らない町に見える、まるであの子みたいだと思う。脳細胞が毎秒死ぬからどんどんばかになる、遠くまできてしまったのは陸続きなのがいけない、わたし、ロシアやアメリカに住んでいなくてよかった。


あたし東京のどこにいるかご存知ですか、ああご存知でしたか、実はもうそこにはおりません。飲みかけで放置した缶ビールは気持ち悪いから投げ捨てた、眠る前まで親密だったそれ、今はひとくちも口をつけたくないそれ。


自分の気持ちがどうにもならないのと同じくらい、他人の気持ちもどうしようもない、八王子から四国まで自転車でいけることをわたしは知ってる。キャッチーなフレーズだけ耳に残ってしまって仕方ない、回数を重ねるたびセンチメンタルが消えていってわたしは切ない、ほんとうにかなしいのはなんともなくなるということだ。






口に出せる程度のわがままをもたなければならない。






2015年11月7日土曜日

20151107-01

今まで飲み込んだ言葉の重みで日本列島が沈む日が来た、わたしだけがそれを知っていた。これが人生最後のXX、実感しながら遂行するほうがちゃんと味わえると思っていたけど切ないだけだったから知りたくなかった。人生最後の部活、人生最後の買い食い、人生最後のおわかれ。この一週間誰かと顔を合わせるたびに感極まってしまって大変だった、やっぱり世界の終わりがいつ来るかなんて知らないほうがいい、しらないうちに、あ、って終わって欲しかった。


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全然あきらめるのが上手にならない、たくさんあきらめさせてきたくせに、どうやって目線をそらしたらいいかわからない、わたし、今日はカレーをつくる。


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有無を言わせぬほどかわいい人をみた、今もみている。



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 コンビニエンスにおいてあるラムネ、しろいつぶのほうのやつ、あんなの買う人いるのかなって思っていたけど最近よく買っている、今日も買った。ラムネ2粒でわたし4キロ歩ける、ラムネはすごい。

2015年11月5日木曜日

20151105-01

触るというのは暴力で、おとうさんの指先からは超音波が出ている。わたしはもう大人だから世界が広いことを知っている、海の向こうにも街があることや、この家から出たって生きていけること。



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わたしのすきなものをすきなひとがすきだとは限らないし、わたしのすきなひとのすきなものを全部すきになれるかというとそうでもないから途方に暮れるしおもしろいんだと思う、本当はわたし、あの夜、眠らないで朝まで一人で映画を見ていました。
夏の朝は早い、夜だった瞬間が一瞬しかない、だから最後まで見終わったのは朝日がもう顔を出し切ってしまった頃で、それでも外に出ると早朝のさわやかな感じがしました。おんなじものを見ると少しは理解できる気がしました、でもわたし映画じゃなくて君のことばかり考えてて、だからお話もちゃんとは頭に入らなくて、だから今でもわたしは、どうしたら君に好かれるかわからない。



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手に取るようにわかるのにどうしようもないことがあるってお姉ちゃんが言ってました、意味がわからなかったけれど今ならわかります。例えば交差する高速道路、ぐるぐるまわるジャンクションみたいな、そんな感じだったんだと思います。もう一生しないことがたくさんあるんだと思いました、夜の高速道路を走ることも、外人墓地で朝を迎えることも、しらない幹線道路脇のファミレスでまずいコーヒーを飲むことも。もしかしたらなにもかも、本当はわたししたことがないのかもしれません。





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目の前のものが全てだったから、例えば家に帰ればあたたかい食事とあたたかい両親が迎えてくれるのは知っていて、それでも目の前のものが全てだったから、あのときわたしには君しかなかった。わたしが絶対守ってあげるって君の頭を撫でたその手でわたしは今おかあさんの作ったシチューを食べている、一通り泣いて泣きつかれた君がおとなしくまた家に帰ったことを知っている、家に帰ってから何があったかは知らないし、もう知ることはできない。

2015年11月4日水曜日

20151104-01

望んでも望んでも絶対叶わないって痛いほどわかっているから願望さえ浮かばなくなってしまった、叶わない夢だって空想するだけでも楽しいはずなのに、現に授業中テロリストが突然やってきた挙句秘められた力が突然開花したらどうしようって考えるのは楽しいし今でも考えてしまうくせに、どうしてわたしはなんにも望まなくなってしまったのだろう。ふれたいもの、たべたいもの、かけてほしいことば、うたいたい曲。わたしの想像するそれらは本当にわたしがしたいことなのか、それとも本当に望んでいることを諦めてしまっているから浮かんでいる妥協のものがこれなのか、わからないままでいないとわたしきっとだめになる。


一生叶わないことが山ほどあって、叶うことのほうが少ないくらいなんだけど、それでもそれを「一生叶わない」ってわかってしまうのはとてもつらい。わたしは人間は本当は空を飛べると思っていて、じゃあなんでわたしは空を飛べないのかというと絶対飛べるはずがないと思っているからだと思っていて、つまりわたしが一生叶えられない願望って言うのはわたしが諦めてしまっているのが悪い、全部自分に原因を求めるのは自意識過剰だけどどうしてもそう思うから一生叶わないし叶えられないほうを選び取ったのも自分だと思っている、思っているし、ある程度はきっとそう。





キャラメルホイップのクレープ、公園までの坂道、何棟も立っているおんなじような団地、大きなマンションの小さな裏口、古本屋さんのにおい、心中のあった上水、おおきなスーパーマーケット、帰り道でいつも見かける野良猫、通勤路になった観光地。





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死んだように生きているけど、それでもう10年くらいたつの すごくない?


2015年11月3日火曜日

20151103-01

わたしの本名は幸子だけれど全く幸せじゃないし全然名は体を表さない、だからわたしはこの世の全てのことわざや格言に異を唱えたい。渋谷区も港区も怖いから通りたくないしそもそもわたしが怖くない土地なんてないのであった。たばこの臭いには二種類あって懐かしいのとそうでないもの、セブンスターは間違いなく前者、ハイライトのメンソールは便秘薬でOD計る女の子のにおいがするから好きじゃない。毎秒毎秒切なくて死にそうだけどこんなに毎秒毎秒切なさで死にそうになっている人なんて早々いないんじゃないかと思う、人生最大の失恋や親友とのけんか、なんやかんやあるけどお笑い番組を見たりおいしそうな白菜を選んでいる最中は目の前のこと考えてるでしょきっと、だからこんなに毎秒毎秒切なくて死にそうになれるのはもしかしたら一種の才能なんじゃないかなって思ったから切なくなるのをやめた、わたしだってスーパーで、きくらげが多く入っているカット野菜(ラーメンの具)を真剣に選んだりする瞬間があるのだ。


日本語がじゃま、わたしの頭で流れる以外の日本語がじゃまだと思うけどもうどうしようもない、意味を汲み取ってしまうからどうしようもない。それが明確であればあるほど脇道にそれることができなくなる、こんなの全然自由じゃない。

2015年11月1日日曜日

20151101-01

さみしいんだったら好きな人の書いた文章読みゃいいんじゃんって気付いたから文庫本片手に家を出た。外人墓地、羽根木公園、仙台のホテルと早朝の海、生クリームの入ったメロンパンとリッケンのギター、季節はもうじき冬になる。



「わたしはどこにも属していない」、そう、わたしはどこにも属していない。あまいコーヒーが飲みたくなってカフェのレジ待ちの列に並んで、あと1人で注文口というタイミングでやっぱりそんなもの飲みたくないって気付いて店員さんにメニューを返してお店を出た、こういうことばっかり好き勝手にできる道を選んだからわたしはどこにも属していない。根っこがないからフラフラできるけど根っこはないんじゃなくて腐って溶けてしまったのだと思う、わたしは、どこにも、属していない。



朝5時の大通りはひんやりしていてコンビニエンスの空気も違う、わたしの知っている日常に切り替わるのは午前6時、あと一時間で魔法がとけてしまう。元気ですかって聞いたら元気じゃないよって返事をくれたあの子、いざとなれば職場に乗り込めばいいと思っているのは、嫌われたらどうしようという考えがわたしにないから、つまりあの子に嫌われるかもしれないという可能性がわたしのなかにないから。

どこにも属していないわたし、誰にも属されないわたし、区分けをしたらあまってしまう。


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選び取るという行為は残酷すぎるからもう直視できないのに肌にひりひりする、毎秒毎秒実感させられなくても十二分に自覚しているのにかみさまはいじわるだ。太いジーンズ、はんだごてのカス、黒猫と山間、ささくれたスティック、くろいつる。わたしたち、思い出すたびに何度だってさようならができるよ。