2012年11月2日金曜日

20121102-01

泣けないわたしのために泣ける映画を用意して。





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美容室の鏡は地獄だ。隣に映る、わたしの髪を切るお姉さんはとても可愛くて、余計に惨めな気持ちになる。ふと、今わたしが風俗の面接にいったらどうなるだろうって妄想する。多分年下の男の子に面接されて、受かったとしても年下の可愛くて上手な女の子たちに押されて、いや多分受かりもしないんだろうなって考えて苦しくなる。若くて女であれば値段はつくはつくけど、若くなくなったら値段がつかなくなる、そこでつく値段が自分にとって価値があるのかないのかはまた別の問題だけど、手っ取り早く自己満足できる方法、わたしはどこかの誰かにとって有用だということを裏付ける方法、それがひとつ失われて、ひどく心細い気持ちになる。




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あいたいひとがいたとして、でも人に会うためには、たいていは相手の了解を得なければならなくて、だから結果、わたしは誰とも会えない。あいたいひとがいるけども、うまく笑ったり話したりする自信がなくて、だからわたしは誰とも会わない。マスクをしてるのをいいことに、電車の中で一人で笑う練習をしたけど、どうしてもひきつってしょうがなかった。小説に出てくる生意気な男の子が、自分が人にどう見られるか熟知した上で、自由自在に自分の笑顔を操っているのを見て、思わず真似をしたくなった結果のそれが見事に失敗して、ああ君はすごい、さすが小説の登場人物になるほどのひとだ、と一人で嘆息した。





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世の中は情報化社会だから、知りたいことはそれなりに知ることができる。何でも知るのは難しいけど、君が思っている以上には、わたしいろいろ知っている。 と数日前まで思っていたけど、気付いたら知ってることも知らないことも、知ろうとしなくても目の前に突きつけられてグリグリ顔に押し付けられていた。わたしが考える「最悪の結末」は、悲しいことにたいてい当たっている。落ちたらどうしようと思いながら階段を上がっていって、案の定足を滑らせ頭を打ち意識がなくなるその瞬間、「わかってた、もしかしたらこうなるんじゃないかなって予想してた、 だから平気、心の準備は出来ている」って自分を慰めることが、一体どれくらいの慰めになるのか自分でも疑心暗鬼だったけど、わたしが考える「最悪の結末」はたいてい当たっているし、それはわたしの慰めに、確かに、なった。
わたしにとっての最悪の結末は、だれかにとっての最高の結末だ。だからなにもかも悲しくないし、苦しくないし、しんどくないし、つらくない。正当な理由がなくては悲しい気持ちになれないし、正当な理由がなくては辛いと思ってもいけない。客観的に見てその事実が、100人が100人とも同情できる事案でなければ、わたしは哀れまれてはいけない。だからわたしは自分のことで泣けない、すごくつまらないにんげんになったな、と自分で思う。











全てのことを客観視できたとして、正解も不正解も解決法もわかったとして、それが実行に移せない自分のことまでわかったら、いったいどうしたらいいかな。
せめて自分のテンションや表情筋を、自由にコントロールできたらいいのに。




お風呂に入ってきます。










 

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