2012年11月17日土曜日

20121117-02

あれ、


もしかしてこの世界でわたしひとりだけが才能ないのかも、枯渇しているのかも、あの子は歌がとてもうまくてあの子は絵がとてもうまい、あの子は植物を育てるのがうまくてあの子は魚を上手にとれる、あれ、あれ、



                       あれ?











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一週間で剥いだ他人の皮を、今日またつける。同化してしまうとどこからどこまでが「わたし」といっていいのかわからなくなる。指先は確かに彼女のもの、そうして肩口はわたしのもの。二の腕もわたし、肘はどうだろう?わたしの皮膚と彼女のそれは色が全く同じで、天才的なあの医者は継ぎ目も残さず上手に付けた。彼女の腕に流れる血はわたしの全身もくまなく巡り、彼女のものだった爪はわたしに同化してからも伸び続ける。どこからどこまでがにせもののわたしでどこからどこまでがほんもののわたしだ、そうしてそれを誰が判断する。




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賞味期限一週間過ぎた牛乳を、卵と溶いてよく焼いて食べた。いくら焼いても水分がじゅうじゅう出てくるそれにうんざりして、コショウをかけまわしフライパンから掬う。火が通っていれば大抵のものはきっとだいじょうぶ、だと信じているけどいま少しお腹が痛くて、これは果たして寒さのせいか、食べ過ぎたせいか、うんきっと寒いせいだろう、って思ってる。



いろんなことをかんがえすぎるのよくない、ばかになりたいというのはこう、ひどく放漫に聞こえるときがあるけど、じわじわ見えないギプスで形成された「ばかじゃない自分」に、逆間接決めるのはなかなかむつかしい。




 

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