2013年9月16日月曜日

20130916-01

浅く腰掛け足を放り出す、少しの罪悪感と溜め息を吐く。まっすぐ上を向いた長靴のつま先がぼんやり滲んで涙ぐんでいる自分に気付く。
ガラガラの電車は街を切り裂くように進む、着駅のアナウンスよりごおっというエンジン音が響く。人の声が聞こえない程度にボリュームを上げたイヤホンで両耳を覆うと世界が無声映画のようで、末端とわたしが切り離される。


夢占いが不必要なほどのあられもない夢を見て愕然とした。何度同じことがあっても全く慣れない。深層心理はもっとオブラートに包まれるべきで、いっそ薬局で買ってきてむしゃむしゃ食べたりしようかと思う。内臓も何もかもわたしを全部、オブラートで包んでしまいたい。

ここから知らないところに逃げたら全部ましになるのかなって期待すると同時に答えも知ってて、だからわたしはノロノロ歩く。地縛霊がいるならそこを離れろ、でもそれはわたしに憑いてるみたいで、だからわたしはお風呂に入る。ゴシゴシ洗っても泡が立つばかりで、いっこうに何にもおちてくれない。




短いホームと長い階段、エスカレーターでまた階段、すべて同じ速さで歩を進めると自動でどこかへ運ばれてるような錯覚に陥る。放り出した長靴の、左右が知らぬ間に交差している。押しつぶされた左がまたゆっくり滲んで、次の駅まで目を瞑る。

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