2013年8月26日月曜日

20130826-01

たとえばこの世界に泣いている女の子が無数に点在しているとするじゃないですか、「嬉しくて」じゃなくて「悲しくて」のほうの涙を流してる感じの、自分が幸せではないことに彼女自身が納得していることもあるので彼女らを「不幸」とは定義したくないから「幸せじゃない」と言うけれどとにかく幸せじゃない状態の女の子が無数に点在しているとするじゃないですか、そんなこと許せますか、それって許していいものですか、許せるわけはないんですよ。

たとえば僕の存在を犠牲にしても1mm程度しか救われなかった彼女、僕の愚鈍さに殺された彼女、彼女も僕もほかのどんな人間もどうしようもなかった覆せない強い現象に潰された彼女、たとえ僕が命を捧げたとしても救われなかった彼女、どうして僕は強大な、宇宙みたいな力を持たなかったのだろう?? どうして僕は彼女たちを救えなかったのかな、どうして彼女はまだ泣いてるのだろう、ねえそれって絶対許せない、だから僕は世界を救いたい、無敵のスーパーヒーローになりたい。




君の最期に「なんちゃって」をつけてフィクションにして自分だけ救われるような真似、僕はそんなことしてはいけなかった。最期の走馬燈の、そのわずかな一瞬暖かければ救われるわけじゃ絶対にない、ほかの誰がなんと言おうとも、君は優しくて穏やかな時間を、そんな一瞬じゃなくてきちんと生活としてすごさなければならない。君の身に起こった恐ろしいことやいやな思い出はタイムスリップして根本から断ち切りたいし、君がひとを憎んだりころしたりしないですむようにしたかったし、君が自分のことをきたないなんておもわないようにしたかったし、腐って落ちてドロドロになってなってほしくなかったけれど、君がひとを憎んでころして腐ってドロドロになったって汚くないしそれでも好きだし、僕は君がどんな姿で僕の前に現れたって、すきだよきれいだよって言って抱きしめたかったし、どうしてそれが、君が腐って落ちてドロドロになってからしか気付けなかったのかって思うと死にたくて仕方がないけれど、僕が死んでも君が救われるわけじゃなくてじゃあどうしたら君が救われるかというと僕が無敵のスーパーヒーローになって、君と君の世界を救うしかないんだ。

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女の子が「きたない」って言って自分の皮膚をこすって血が滲むような、そういうものにわたしは絶対耐えられない。そんな世界ならいらないと思うし、そんな世界をどうしてわたしは変えられないのだろう? でも真っ暗な部屋から爛れた皮膚を引き摺った血だらけの彼女が出てきた瞬間一瞬硬直したわたしに彼女はきっと気付いていて、ほかでもないわたし自身がこの世で一番彼女を傷付けたこと、わたしはきちんと、認めなければならない。




「しょうがなかったよ君はやるだけやった、彼女だってああいう最期を迎えられてきっとしあわせだったよ」なんて、絶対わたしは認めない。

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