2014年10月14日火曜日

20141014-01

電車の中ではぐれてしまって必死で両手で吊革掴んだ、黙ってレールに揺られることもできないなんてことずっと前から知ってたけど、わたしはほんとうにこのままころんと車両から落っこちて、あの鷺たちみたいに固まってしまうのかなってちらりと思って、でもすぐにわたしは鷺たちみたいに美しく固まって死ぬことなんてできっこないってわかったからもう泣くことすらできなくなった。いつぞやの小説で読んだようにわたしの涙が結晶となってきれいな宝石になればいいのにそんなことも絶対おこらないし、わたしはただただここからはぐれて、どこへも辿り着けないというより正確に言うと、わたしがせかいを見放したから誰からも見放されて一人ぼっちなんだと錯覚した。

誰の手を、指を、シャツの裾を、ズボンのポケットを掴んでも、わたしがはぐれないでいられるなんてこと、最初からずっと、ありっこなかった。

わたしの寂しさや、見放されたような錯覚や、そういう被害妄想が全部被害妄想でしかないことをわたしが一番わかっているから、わかっているのにそういうことを考えてしまう自分がひどく恥ずかしかった。電車の中ではぐれるなんて、なんて最低な日なんだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿