2013年3月4日月曜日

20130304-01

3月は鬼門、4月は地獄。



春のこと考えると死にたくなる、上履きで踏みしめた公園の土や、まっくろに見えるアスファルトの荒い道肌、そういうものが呪いのように染み着いて離れない。上着を羽織っても肌寒い大通り、昼間はあんなに色付き綺麗だった桜は死人のように真っ白だ。無惨に砕けて道路に散った死んだ貝殻や頭蓋をわざと踏みしめて歩く、ジャリっとこもった音がする。にぎやかなバス通りを覆う桜のアーチは夜になると地獄へ続くトンネルのようで、どこまで行っても閉塞感。

どの男の子の思い出も、どの恋愛も付随しないのに切なくなる曲があって、その切なさはかなわない恋をしているときのそれととてもよく似ていて、だけど確かにその曲はわたしひとりのものでしかなくて、だからこの悲しさとか切なさはわたし自身に対してのもので、なにかを悼んでいるのだとすればそれは死んでしまったわたし自身だ。

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カウントダウンが始まって、桜の蕾が膨らんで気温がだんだんぬるくなり、わたしの寿命が一つ縮まる。生きながらにして死ぬのは酷く辛くて、どうせならいっそどうにかしてくれたらいいのにと思う。


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わたしもう何年もメールアドレスも電話番号も変えていないのだけど、何度もトイレに流したり落としたりしたから、アドレス帳は何度もまっさらになっていて、つまり今わたしの携帯電話には、頻繁に連絡を取る人の連絡先しか入っていないのだけど、たまに、アドレス帳に登録されていない人から、連絡先変更メールが来る。
ああこの子はバイト先で数ヶ月一緒になったPAの子、この子は昔のアパートのおとなりさん、この子は大学の同級生。「ケータイ変えました、登録変更お願いします♪」の文面を無視してメールを放置、そのたびに複雑な気持ちになる。


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ヒョウ柄のリュック、真っ白な上履き、真っ白なカーディガン、温泉の名前の入ったタオル、小さな公園、誰にも乗られることのない遊具、桜の花びら、桜の花びら、桜の花びら、桜の花びら、玉川上水、桜の花びら、桜の花びら、桜の花びら、桜の花びら、

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