2014年8月30日土曜日

20140830-01

全人類――正確に言うと、君以外の全人類――がロングヘアのほうが似合うよと言ってくれたけどたった一人君が「あなたのショートが見たい」というから伸ばしていた髪の毛をバッサリ切った。君のクラスにつかつか入って行って名前を呼んだとき僕のことを怪訝に見つめそれから驚愕した君の友達たちと、一ミリも表情を崩すことなく「お、どうした?」と僕に返した君の表情の落差がすごくておなかが空いた。
わたしに恋をしかけていた男子が明らかに落胆の表情を浮かべていて、僕は底意地悪い気持ちになる。

先日古着屋で衝動買いした派手なウィンドブレーカーが短すぎるショートカットによく似合う、似合うけどまるで男にしか見えないなと自覚する。自分で言うのもなんだけど男にしては端正な顔立ちの僕は君の横に並ぶととてもお似合いだと自負をする。だけども君が僕のことをそういうふうに好きになることは絶対になくて、報われることがなくても全人類からのブーイングを浴びても、僕は君の好みの髪形にし続ける。

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