2012年9月30日日曜日

ヘドウィグ感想

ヘドウィグアンドアングリーインチ舞台見てきた。



原作がすごい好きで、森山未來もだいすきなので、ツアーファイナルすごくたのしみにしてた。舞台自体見るのすごく久々で、ミュージカル的なものも久々で、だからなのかもしれないけどいろいろもんやりした。
千秋楽明日だけど、ネタバレになるので、アレなひとは注意してください。
もんやりした感想ばかりです。



共産主義体制下の東ドイツ、を、どうしてあえて日本の、原発地区に置き換えたのか意味がわからない。例えばこれを、キャラから設定から全部日本にしちゃうならわかる、現代版アダムとイブとか、日本版ロミジュリとか。名前や、原発以外のそのほかの環境、教会があって神父がいてキリストが神様がなんたらかんたら、などのそのほかの部分は原作どおりなのに、なぜあえて東ドイツを原発地区にして、ベルリンの壁を原発地区と日本を隔てる壁にしたのか。これが、「東ドイツとか共産主義とかベルリンの壁とか言っても感情移入できないでしょ?だから日本にした」ってのだったらまだわかるけど、そうでもないし、その必要性も感じないし、もし感情移入しやすくするために舞台を日本にしたのなら、そのほかにも改変しなければならない箇所はたくさんあったのでは。私にとってはただただ、今の日本で原発や放射能がタブーだから、そこを舞台にしておけばエキセントリックでしょ?ってふうにしか見えず、本当に不快だった。そこをそういう風に扱われたのも不快だし、なんでヘドウィグでそれをやるの、ってのも不快だった。例えば戸梶圭太の出版停止になったお話みたいなものだったらわかる、わかるっていうか、それを主軸に据えてどーんとエンタメにしてくれるならわかる。でもヘドウィグの主軸って別に放射能の影響であそこの地区がスラム街になって戸籍のない子供がたくさん生まれて、放射能の影響で生殖器がない子供が生まれて、放射能の影響で長生きできない、そういうことじゃなくないか。たとえばそういうフィクションを、例え不謹慎だとしても、お話として書いたり演ったりするのはわかる、でもこれはヘドウィグで、そういう、原発や放射能を揶揄するための物語じゃないし、そもそもそういうことじゃなく、セックスとか、そういうお話じゃなかったっけ?

端々にはさまれるそれに始終イライラしてしまった。それにプラスして、(多分アドリブ的なものもあるだろうから書かないけど)芸能界のタブーネタや、政治ネタをちょちょっと盛り込んで、えっなぜにこの物語でそれが必要なの?って思ってしまった。


これがヘドウィグじゃなくて、どこかの劇団のオリジナルだったらわたしもわらってみられた、けどさ、 あれ、わたしが勘違いしているだけかもしれないけど、わたしも本場の本当の原作であるところのヘドウィグミュージカル見たことないからあれだけどさ、映画版でイメージしてるからあれだけどさ、このお話の主軸ってそこだっけ?社会問題と、政治と、時事ネタを、ゆがんだ形で茶化してでもそれを端に置く、そういうお話だったっけ?



そこに「必要性」を、わたし個人が感じられなかったからこんなに不快なだけであって、監督からしたら必要だったのだろうし、わたしは「そこの背景そんな必要?」って思ってるけどやっぱり大事だろうし、でも別に東ドイツでよかったじゃん、ベルリンでよかったじゃん、と思う。
「危ないネタをぶっこんで芸能人の名前喋っちゃいました、尖ってるでしょ?サブカルでしょ?エキセントリックでしょ~?」って吐き気がでてくるあの感覚を、まさか今日覚えるとは思わなくて、びっくりした。




舞台の感想としては、森山未來がすばらしかった。多分、「森山未來がでてる」って言われなかったら、わたしあれが森山未來だってわからなかったと思う。声も喋り方もちゃんと彼のヘドウィグで、歌も本当に本当にすばらしかった!ダンスもちょこっとだけど見れて、本当に感動した。生で森山未來のステージが見られて、本当によかったなと思う。
いやほんとにすばらしかったです、体が超絶美しかったです。体がうつくしいって、すごいよな。
(「本当に」「すばらしい」って何度いえば気が済むのだ。でも本当にすばらしかったです。)


後藤まりこさんは良くも悪くもずっと「後藤まりこ」で、わたし個人的に彼女の声も顔もすごくすきなんだけど、でも「今日は後藤まりこさんのステージを見にきたんじゃないんだけどな」って思ってしまった。歌を歌うととてもうまいし魅力的、ステージアクトもすばらしい、でもやっぱりあくまでも「後藤まりこ」さんでしかないから、役者として、何かの役としてステージ見るのはかなりきつかった。森山未來がすばらしい役者なだけに余計そう思ったのだと思う。後藤さんの歌う場面でわたしずっと、ミドリのステージ思い出してた。





わたし舞台見るといつも何か憤懣やるかたなし的な感想を抱いている気がする、最近。絵や音楽や小説や、そういうもので、好みじゃないものにあたってもなんとも思わないんだけど、舞台だけはぷんすかしてしまうときがある。別にこれはあくまで好みの問題で、わたしがホワイトチョコがあまりすきじゃないというだけで、ホワイトチョコはわるくないし、ホワイトチョコを好んで食べる方もたくさんいらっしゃるし、むしろそっちが多数派かもしれない、でもわたしはホワイトチョコが好きじゃない、ただそれだけのことなのに、どうしてプンスカするのだろう。人の創作物にケチをつけるのは一番やっちゃいけないことだと思っているし、勝手に好きなもの作るべきだと思っているけど、舞台だけは、どうしてもだめだ、へんな感想抱いてしまう。


いやでも森山未來の演技がすばらしかっただけに、普通に原作どおりの設定でやってもらったらもっとすばらしかっただろうにな、とどうしても思ってしまう。








むつかしいなー。とりあえず映画版を見直したくなりました。
あと日が落ちたお台場すごくきれいだったよ。ダイバーシティ内の東京クレープガールってとこのクレープ(クリームとキャラメルのがなんと250円だった)食べたんだけどびっくりするくらいおいしくて、2個たべそうになったけどがまんした。おすすめです。












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