2013年11月21日木曜日

20131121-01

足を一歩踏み出すたびに自分は本当に屑だ、と自覚する。貸し出された長靴を履いても砂はどこからか入ってくる、もしかしたらわたしの足の指の股あたりからわいて出てきているのかもしれない。
踏みしめた足元からキュッと砂の鳴る音がする。グッと足を踏み込むと力が足の裏から抜けていってしまうようで疲れるばかりで、一向に前に進まない。目の前に広がる砂はサラサラしているのに長靴に進入してきたそれらは確かに粒で、海風で舞い上がり顔に頭に降り注ぐそれらも粒で、右手で 必死にフタをするビールのプラカップに入り込むそれらも粒、どこもかしこも口内さえも、今のわたしはジャリジャリしている。

屑、とまた思う。

屑が砂にまみれて砂丘を登る。足を踏み出すたび長靴がズルリと数センチ滑り落ち、その数センチが積もり積もって壁になる。登り切ったと思えども視界に広がるのは次の山で、海風は確かに強くなり潮の匂いもするけれど、海にたどり着ける気は全くしなくなっている。

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