2012年12月15日土曜日

20121215-01

壊れやすいものが壊れやすいことを壊さないように確認する、柔らかいそれは熱量を持って僕の掌を押し返す。確かに受け入れられているはずなのにひっそりした弾力が輪郭をなぞって、ああ、別の個体だと思い知ってひどく悲しくなった。君が儚くて弱くて脆い生き物であることを、確認せずにはいられない。君の生死は僕のものなのに君と僕とは違う個体で、その事実ものすごく腹が立つ。ご飯を食べて酸素を吸って二酸化炭素を吐く君の、生物としての生命活動に僕は全く必要なくて、僕がいなくても生きてゆけるが嘘だとしても僕がいさえすれば生きてゆけるも嘘だろ、なんだそれ、すごく腹が立つ。


君なんて、いっそのこと、
僕で栄養補給して僕で呼吸をし僕で生命活動を維持して僕で社会活動を営み僕で精神と性欲を満たして僕だけを糧にして生きればいいのに、


詮無いことだ。









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野嵜貴子さんの個展(http://nozaki.main.jp/ugomeku/)に行ってきた。のざきさんの作品を初めて見たのはコミティアで買った小火で、(その感想を書こうとしたけどご存じの通りわたし感想文が苦手だから「ふわあとなった」としか書けないことに今気付いた)それから何作か読ませてもらってすごく好きで、個展があるって知って絶対行きたいと思って最終日にやっと行けた。のざきさんの絵を見てると世界は全然狭量じゃないし何でこんな色が出てくるのかなってすごく不思議な気持ちになる。物事には世界との境界線があってそれが輪郭と呼ばれるものだと思うのだけど、それはくっきりしたりぼんやりしたりして、そういうものや、多分世界はわたしの頭の中よりもずっとカラフルで繊細で美しくて、そういうことや、でも全部とてもめんこいし愛おしいしで、そういうなにか愛おしい生き物の生命活動を飽きもせず眺めていられるような、そういう不思議な気持ちになる。好きな人の漫画や絵を見るときいつもそうだけど、なんでこの人はこんなものを描けるのかな、一体全体どこをどうしたらこんなものが生まれるのかなって、すごく愛おしくなってしまう。かたちやいろや輪郭ぜんぶ、何時間でも眺めていたくなるからすごい。




絵を見てると自然と顔がにやけてしまうのでマフラーで顔隠しながら展示見た。漫画読んで泣きそうになったので急いで帰ってきてしまった。次もものすごくたのしみにしています、見に行けてすごくよかった。




こういう感想うまく言えたらもっといいのになっていつも思う。技術的なことや知識があったらもっとうまいこと言えるのかなと思うけど、「すごいすき!」しかいつも言えなくてすごく困る。でも拙くても「すごいすき!」はわたしは言われたら嬉しいから言ったほうがいいなと思ったし言いたいし、わたしに好きと言われるの(例え作品が、であっても)気持ち悪いかなとどうしても思うけど、すきなもの作る人が同じ時代に生きてること自体奇跡だし感想を伝えられるってのも奇跡だから、やっぱりどんどん言おう。

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