2014年7月18日金曜日

20140718-02

何かの遊具の頭だけ、古いマンションの隙間から飛び出て見えた。多分あれはフリーフォール、観覧車じゃないからいまいち決まらないと思った。
山の中からぽつんと顔を出す観覧車、あれを見たのは確かあのひとの家から帰る電車の中で、最寄りの遊園地が違うってのはもう、遠距離だし別世界だ。


わるい夢なんて一つも見ない、死んだほうがましだって毎日思ってる。なのに日記をつけると毎日しあわせそうな自分しかいない、あのひともあのひとの記憶も全部失われてしまったとするならば、わたしにはわるいことなんて何一つ起こらない。


吊り広告や新聞を読んでいる人を見ると、その凶暴な紙が眼球をすぱっと切り裂くところを想像する。瞼を閉じるのが間に合わなくて眼球、切れ味がよくとも鋭くないその傷はおそらくあとからあとからじくじく痛む。
怖いからわたし、電車ではずっと目をつむっている。そうすると瞼で眼球は守られ、フリーフォールも観覧車も見えない。

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